昼食を済ませ、たつの旧市街観光のスタートです。
まずはすぐ近くの「うすくち龍野醤油資料館」へ向かいますが、播磨の小京都らしく早くも古い街並みが登場して気分が盛り上がります。
東に〇でヒガシマル。たつのを代表するしょうゆメーカー、ヒガシマル醤油のかつての醬油蔵で、現在はヒガシマルギャラリーになっています。
その隣に「うすくち龍野醤油資料館」があります。こちらも歴史がありそうな建物ですが、1932年(昭和7年)に建設されたヒガシマル醤油の旧本社ビルで、国指定の有形文化財に登録されています。外観はレンガ造り風ですが木造建築のようです。
入場料はなんと10円。無料でも良いのでしょうが、何かこだわりがあるのでしょうね。
最初に目に入って来たのが帳場なのですが、どうも順路を逆に見学したみたいで本当はここが最後になるようです。
このうすくち龍野醤油資料館は、しょうゆ製造の原材料・機械・道具が展示されており、かつての?製造工程が分かるようになっています。
私は逆に回ってしまったのですが、井戸・原料処理場→麦炒場→道具陳列室→醤油試験室→組合資料室→麹室→仕込蔵→圧搾場→資料室→帳場という見学ルート。
レトロな昔の宣伝ポスター。まだ社名が龍野醤油の時代なので、昭和30年代のものかな(社名がヒガシマル醤油になったのは昭和39年)。
煮た(蒸した)大豆と炒った小麦に種麹を混ぜ、麹カビを生育させて「醤油麹」を作る麹室。
館内の説明文には英語も併記されており、外国人にも理解出来るようになっています。
麹室で出来た醤油麹を塩水と混ぜて桶(樽)に入れる作業を行う仕込蔵。ここで発酵させて「もろみ」が出来、それを熟成させます。
上記の工程で出来た「もろみ」を絞ったのが「しょうゆ」です。その醤油を絞る棒締式圧搾機。
絞った醤油が出てくる垂れ口。
絞ったばかりの生醤油を貯蔵する生汁桶。
ざっくりですが、醤油ってこうやって出来るんだというのが分かって良かったです。醤油の原料=大豆というイメージですが、その大豆とほぼ同量の小麦も使われているなんて知らなかった。
また建物の外観はレンガ造り風ですが、実際は木造だというのがよく分かります。
こういう柱の補修跡も歴史を感じさせてくれますね。
うすくち龍野醤油資料館を見学後、同じ敷地のすぐ東側にあるヒガシマルギャラリーにも寄ってみます。来る時、水路沿いに漆喰の白い壁が見えていたあの建物ですね。
この建物はヒガシマル醤油の旧原料庫、明治中期の1880~1890年代に建てられたもので、こちらも国指定有形文化財に登録されています。
現在はヒガシマルギャラリーとして山下摩起という画家の作品を展示しています。特に受付もなく常駐係員もいなくて、ご自由に見て下さいという感じ。
ギャラリーへのアプローチ。
2階建ての旧食塩溶解場が隣接しており、そこへの階段かな。
入って正面に展示されていた作品。
菩薩や明王などを描いた仏画も多いです。
山下摩起という画家の名前は初めて知りましたが、有馬町(現在の神戸市)生まれ、京都市立絵画専門学校(現在の京都芸術大学)で学び、フランス留学を経て西宮で制作活動を行っていたようで、たつのやヒガシマルとの関係はよく分かりません。
うすくち龍野醤油資料館とヒガシマルギャラリー併せて入場料10円とはヒガシマル醤油も太っ腹ですね。