長崎四福寺と呼ばれる唐寺の見学を終え、思ってた以上に充実していて満足感一杯でした。
唐寺(中国系仏教寺院)の次は、今回の長崎旅行のメインと考えていた中国系道教寺院巡りです。江戸時代に華人の居留区とされた旧唐人屋敷跡に残る、土神廟・天后堂・観音堂・福建会館の4ヶ所を巡るものです。
旧唐人屋敷は現在の館内町にあります。新地中華街からほど近く、福建通りを上って行きます。
まず最初に出てくるのが土神堂。土地の神様である土神(一般的には福徳正神と呼ばれます)を祀る廟です。
あれっ、なんと工事中のパイロンが置かれていまして、6月10日~9月30日の期間、旧唐人屋敷内の土神堂、天后堂、観音堂は整備工事で観覧は出来ないとの貼り紙が(この日は9月9日)。ついてないなあ・・・
敷地内には入れましたが、お堂は閉まっていました。
完全に予定が狂っちゃいました。他も工事中ですが、一応行ってみますか。土神堂を横目に見ながら坂を上がって行きます。
福建通りから路地に入り、階段を登って行きますと福建会館があります。
1868年(明治元年)に八閩会館として設立、その後1897年(明治30年)に全面的に改装され、福建会館と改称されました。本館は原爆で倒壊し、現在残っているのはこの正門と天后堂のみ。
敷地内には中華民国の国父と言われる孫中山(孫文)の像。
こちらが天后堂です。2017~2018年にかけて120年ぶりの大規模改修工事が行われ、当時の姿が蘇ったそうですが、福建建築という感じはしないですね。
階段も雑草が伸び放題で、あまり管理されていないような印象。
廟内に入ってもがら~んとしています。
天后像(媽祖像)が祀られているのみ。階段の雑草を見ても、日頃参拝する人はいないのかと思いましたが、わずかに線香が上げられた形跡はあります。
「桑梓萬里」の扁額。桑梓は「詩経」の故事から故郷を意味します。桑梓萬里で故郷ははるか遠いという意味なんでしょうか。大清光緒丁酉とあるので、全面的に改装され福建会館となった1897年(明治30年)と一致します。
もう残骸だけですが、これは「天官賜福」と書かれて三官大帝の天官を祀っていた神龕(神棚)だと思います。
福建系華人の多いペナン、マラッカ、プーケットタウンなどの商店・民家の玄関先の柱でよく目にします。下記画像はマレーシア・マラッカとタイ南部パンガー県タクアパーの天官を祀る神龕(神棚)。
更に坂を上がって行きますと天后堂。天后聖母(媽祖)を祀る廟です。
天后堂の対面あたりにある路地を入って行くと観音堂があります。
福建会館を除き工事中で見学出来なかったのは残念ですが、見学出来ていたとしても、余り見どころはなく別の意味で残念だったかもしれません。
予定外に時間が余ってしまったので、開館時間短縮で昨日入れなかった孔子廟・中国歴代博物館へ行ってみます。その意味では良かったのかもしれません。