昨年は正月明けに旅行を計画していたのですが、新型コロナ感染拡大でキャンセルせざるを得ませんでした。その反省を活かして、クリスマス・年末年始の人出が増える前≒新型コロナ感染者が増える前に行っておこうと12月に入って早々に出掛けることにしました。
今回は函館旅行で大阪・伊丹空港からANA便を利用します。
大阪空港まではいつもなら姫路駅からのリムジンバスを利用するのですが、今回は神姫バスの「らっきゃライナー」を利用して神戸三宮まで行き、そこからリムジンバスに乗ることにします。スケジュール的にばっちりというわけではないのですが、ものは試しということで。
このらっきゃライナーは姫路市街地と三宮・神戸空港を結ぶ社会実験として2021年4月1日から運行を開始しました。渋滞回避+高速出入口への所要時間短縮のため、姫路エリア最大の交通の要所である姫路駅を通らないというところがミソです。
姫路市北部の住宅街を回り、そのまま高速道路を経由して三宮・神戸空港へ向かいます。このあたりの住宅街から神戸三宮近辺に通勤・通学する人をメインに神戸空港利用者もターゲットということですが、平日のみの運行で姫路発が朝、神戸発が夕方の1日1便しかありません。運賃は片道1,000円(神戸空港までは1,210円)、現金の他にICOCAなどの交通系ICカードも利用可能です。
事前予約は出来ず、定員制(席が埋まればおしまい)なのですが、他の方の乗車記を読む限り「乗客は数人だった」というのがほとんどなのでまあ大丈夫でしょう。
実際に乗り込んでみると、なんと先客はゼロ。使われている車両は新しくきれいで、高速バスの4列シートと呼ばれるタイプ(全40席)、神姫バスも気合入っているなあ。路線バスの後乗り・前降りとは異なり、前乗り・前降りです。
膝周り・足元も比較的ゆったりしています。
窓際の電源コンセント(ソケット)、通路側の席はアームレストの下にあり。無料のWifiも完備しています。
上にはエアコンの吹き出し口と読書灯。
後方にはトイレ付き。
腰当てのクッションも置いてあります。
播但線沿線から姫路駅経由で三宮方面へ通勤・通学している人も取り込もうと、播但線・野里駅にも寄りますが、乗ってくる客はいません。いよいよ神戸まで私一人かと思われたのですが、最後の乗車バス停である小川橋西詰で一人乗って来ました。結局乗客は2人だけ。
小川橋で市川を渡り、花田料金所から高速道路に入ります。
播但連絡道路、山陽自動車道、阪神高速7号北神戸線、32号新神戸トンネルを経由して新神戸駅近くで高速を降り、ほぼ定刻に阪神三宮東口に到着。
バス停の場所は神戸三宮 東急REIホテルの前です。
さて2日後の帰りです。バス停に行くと20人近い行列が出来ています。さすがに金曜日の夕方なので結構多いのか?と思ったのですが、神戸市内の路線バスに乗る人たちでした。
予定より5分ほど遅れてバスが到着。
阪神三宮東口から乗ったのは私だけでしたが、先客が一人いました。
高速道路でも多少渋滞があり、自宅最寄りのバス停には15分ほど遅れて到着。
私にとって、ゆったり座って乗り換えなしで神戸三宮に出られるので便利でしたし、運賃の1,000円は、姫路駅までバス270円+三ノ宮までJR新快速990円=1,260円よりコスト的に安くなります。但し姫路駅までバス+JRの新快速を利用した方が多少早いので、時間的なメリットはなかったと思います。
往復ともに乗客は2人だけでしたが、これでは高速代も出ないですよね。こんな状況ではもって3月末までの1年間、早ければ年末に終わるかもと思っていましたら、予想通り12月28日で社会実験は終了とのニュースがありました。
15年ほど前ですが、姫路駅と神戸空港を結ぶ神姫バスのリムジンバスがあったのですが、あれも1年ほどであえなく休止となりました。
告知・PRが足りず、らっきゃライナーの存在を知らない人も多いような気もしますが、これほどまでに乗客が少ないのは、このバスのコンセプトに合う需要が根本的になかったのかもしれません。
固定客候補の通勤通学客は定期券を利用する人が大半だと思いますが、やはり1日1便だけの運行というのは使い勝手が悪く、代替にはなり得ないでしょう。らっきゃライナー自体の定期券はない(=運賃が割高)ようですし。
でも神姫バスはタイでハイヤー・運転手派遣サービス事業をやっていたり、こういう社会実験運行をやったり、チャレンジする姿勢は素晴らしいと思います。