萬福寺 中国色が強い黄檗宗大本山 京都・宇治

南禅寺のある蹴上駅から地下鉄の終点・六地蔵駅まで行き、そこからJR奈良線に乗り換え、黄檗駅で下車します。ここには今回の京都旅行で一番行きたかった黄檗宗大本山 萬福寺があるのです。

多くの人は黄檗宗って何?と思うでしょうが、禅宗の一派です。日本の禅宗には曹洞宗と臨済宗の2派があると習った記憶がありますが、黄檗宗は臨済宗に近い(臨済宗から分派した)宗派です。私は長崎の四福寺と呼ばれる4ヶ所の唐寺(黄檗寺院)に行って、初めてその存在を知りました。

曹洞宗や臨済宗が日本に伝わったのは鎌倉時代ですが、黄檗宗は江戸時代に中国明~清代の臨済宗僧侶・隠元隆琦(隠元禅師、隠元和尚)が来日して開いた宗派。その本山がここ京都府宇治市にある黄檗山萬福寺なのです。隠元隆琦の生まれ故郷である中国福建省福州市福清市には、自身も住持(住職)を務めていた本家の黄檗山萬福寺があります。また隠元隆琦はいんげん豆の名前の由来となった僧侶でもあります。

JR黄檗駅から徒歩5分ほどで入口の総門に到着。黄檗宗は正統派の中国禅を自任することもあり、中国色が強いとされていますが、この総門も中国テイストが強いですね。

萬福寺全景の地図を見ると、どれだけ広いんだろうと思いましたが、実際に回ってみるとそれほどでもなかったです。

楼門風の山門、ここから拝観料大人500円が必要になります。

「黄檗山」と「萬福寺」の扁額は隠元隆琦による揮毫。

三門の先には天王殿があります。

参拝客を迎える外側に弥勒菩薩(布袋)、伽藍を見守る内側に韋駄天を配置するのが黄檗流です。

東西南北を守護する四天王(持国天、増長天,広目天,多聞天)も祀られていました。

天王殿の先には堂々たる大雄寶殿。黄檗宗では本堂のことを大雄寶殿と呼びます。萬福寺では大雄寶殿をはじめ、総門、三門、天王殿、法堂など計16棟の建物が国指定重要文化財となっています。

前廊部分は黄檗天井と呼ばれる蛇腹でアーチ状の構造になっています。龍の腹を表現しているそうです。

桃戸(桃符のある扉)も黄檗寺院ではおなじみ。桃には魔除け・厄除けの意味があります。

本尊の釈迦如来と脇侍の迦葉・阿難。

大雄寶殿の更に奥にあるのが法堂。三門、天王殿、大雄寶殿、法堂が一直線上に並んでいます。

上の画像にもありますが、境内には龍の背の鱗をモチーフにした、正方形の平石を菱形に配置した参道が走っています。真ん中の菱形の石の上には住持(住職)しか立てないらしいのですが、知らずに歩いていました。

法堂内部には少し高くなった須弥壇があり、ここに住職が登って説法を行います。「法堂」の扁額は隠元禅師による楷書の揮毫。

大雄寶殿の脇にある斎堂、僧侶たちの食堂です。

日常の行事や儀式の刻限を報じる魚の形をした木製の法具「開梆(かいぱん)」、「飯梆(はんぼう)」とも言います。

裏側にまわると、日頃叩かれている跡がありますね。

こちらは青銅製で雲の形をした「雲版(うんぱん)」。主にお堂への出頭を促す合図を送るための鳴物。雲は雨を降らせる恵みの象徴であり、火事や災害を防ぐ意味合いもあるとされています。

斎堂の隣の伽藍堂。

中央後方が華光大帝、前方の赤ら顔は関聖帝君(関帝、関羽)ですね。道教起源の神様が祀られ、ここでも中国色が感じられます。

弁財天かな?

大黒天。

今年2022年は隠元禅師350年大遠諱(隠元禅師が亡くなって350年目)を迎え、その一環で鐘楼、伽藍堂、西方丈、法堂などの重要文化財が修復されましたが、黄檗宗の末寺を中心にたくさんの寄進者と金額が掲示されていました。私が昨年訪問した大阪の清寿院(大阪関帝廟)も30万円寄進したようです。

回廊をぐるっと回って反対側へ行き、祖師堂。

中央に中国禅宗の開祖と言われるインド人仏教僧・達磨大師像、左右には歴代住職の位牌が安置されています。

外には歴代住職の道号・俗姓・在位年数・享年・出身地・墓所などが記載された一覧表がありました。開山の隠元隆琦から現在は第62代、ざっと見たところ、中国人住職は第21代が最後で、以降は日本人が住職を務めているようです(第21代以前にも日本人住職はいます)。

延宝元年(1673)に後水尾天皇から隠元禅師に贈られた「特賜大光普照國師塔銘」という文字が刻まれた石碑がある石碑亭。

石碑を乗せている亀に似た生物は、竜生九子のひとつの贔屓(ひき)。石碑の台になっているものは亀趺(きふ)と言います。

六角形をした寿塔、隠元禅師のお墓です。

開山の隠元禅師を祀った開山堂。

隠元禅師が住職を引退した後に隠居した松隠堂。

ざっと一通り回って所要時間は45分ほどでした。

境内はきれいに手入れ・掃き清められており、さすが大本山という感じです。この後行った平等院や京都市内の有名どころはどこも修学旅行生を中心に混雑していますが、ここは観光客もまばらで、落ち着いて見学出来ました。

個人的には2年前に行った長崎四福寺が懐かしく思えましたし、また長らく海外旅行が出来ていない中で、中国風というか、異国情緒・海外の雰囲気に少し触れられたのも良かったです。

萬福寺周辺の地図とホテル

宇治 洗濯機・コインランドリーがあるホテル・旅館

京都 4ベッド・4人部屋のあるホテル・コンドミニアム

京都 新規オープンのホテル・旅館

カテゴリー: 日本, 神社・仏閣・教会・モスク 日本 タグ: , , パーマリンク